宮大工と大工の違い☆彡

宮大工について

こんにちは。白鳳社寺広報インターンの永野です。

建築の中で、1度は疑問に思う「宮大工」と「大工」の違いについて紹介していきます。

まず初めに宮大工の歴史は、千年以上にも遡ります。寺社仏閣など日本の伝統的建築物を手掛ける「宮大工」のその技は代々口伝で受け継がれ、奈良時代や平安時代から重要な役割を担ってきました。神社仏閣の細部に至るまで精緻な技術と独自の知識が求められます。ただ、建物を作るのではなく「文化財を守る」という使命感が根底にあります。

一方、「大工」は住宅や店舗など人々の生活空間を整える職人として発展してきました。江戸時代には「町大工」と呼ばれる人々が現れ、より身近な暮らしを支えてきました。

簡単に言うと、「宮大工」は神社や寺院などの伝統建築を専門に扱う職人のことで、「大工」は一般住宅や建物全般の木造建築を行う職人のことです。

・仕事内容で見る「宮大工」と「大工」の違いは!?

 宮大工が担当するのは、神社仏閣や重要文化財といった伝統構造物が中心で、木材の継手や仕口の技法、彫刻や装飾など、細かな手仕事が不可欠とされる現場です。道具にもこだわりがあり、墨つぼやかんな、のみといった伝統工具を駆使し、手作業で百年単位の耐久性ある建物を作り上げます。一方、大工が担当するのはマンション、商業施設などを主なフィールドとし、現代建築の技術を使いこなします。設計図に基づく作業やプレカットされた部材の組み立てなど、効率化と現場ごとの柔軟性が求められるのが特徴です。

・日々の業務や現場の特徴にも「宮大工」と「大工」で違う!?

 宮大工の現場は静かで緊張感があります。歴史ある寺社の修復や新築工事等、1つ1つの作業に正確さと真剣さが必要です。現場では、師弟関係や厳格な決まり事も多く、技術継承のために意思疎通・教え合いが大切にされています。また、扱う素材も天然木が中心で、木の目利きや乾燥の度合いまで深い知識が求められます。大工の現場では、マンションや一戸建てなどの一般住宅の建築現場では、工期短縮や効率を重視した分業体制が進んでいます。簡単に言うと宮大工と大工の仕事内容の違いは、扱う商材がそもそも違うことなのかもしれません。

・「宮大工」と「大工」のキャリアパスの違いは!?

「宮大工」として働く場合は、「伝統建築の現場」で経験を積むことです。宮大工は親方の元で修業するのが昔ながらの道ですが、近年は専門学校や職業訓練校からも門戸が開かれています。資格という資格はないため、国家資格として明確に「宮大工」専門のものはなく、建築大工技能などが現場で評価されることが多いです。加えて、木材を見る目や手加工の技術力、歴史文化への理解が問われます。それに対して大工の場合は、二級・一級建築大工技能士や建築士資格がキャリアアップのカギになります。住宅メーカーや工務店への就職、独立して「棟梁」として活躍する道も開けています。工具の使い方や図面読解・現場マネジメントなど、より幅広いスキルが求められます。

「宮大工」と「大工」の働き方の将来性を比較してみたところ、あまり変わりはないものの、宮大工は基本的に親方のもとで弟子として経験を積むスタートが多く、いきなり高収入を得ることはなかなかないのが現状です。

 一方、大工は住宅やマンションの建築需要に合わせて多様な雇用形態が広がっています。工務店やハウスメーカーの正社員として安定した収入を得るケースもあれば、請負や独立開業でより高収入を目指せる道もあります。大工は社会のニーズに敏感な職種である為、AIや新技術の普及に伴い働き方自体がアップデートされています。また、将来性や選択肢の幅で言うと、大工の方が広いと考える人も少なくないです。

・まとめ

 宮大工と大工の違いで言えば、紹介したもの以外にも沢山あると思いますが、働き方は多岐にわたると考えます。どちらもものづくりを支える重要な役割を果たしている職ではありますが、その職種の魅力や価値は異なると思います。自分が本当にやりたいと思うこと、挑戦してみたいと思うもの、自分の得意分野を活かせる環境であるか自分自身で見つめ直すことも大切です。

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